マリガンコンセプトが坐骨神経痛に効くかを調べたシステマティックレビュー

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背景と目的

今回は「坐骨神経痛の症状(痛み、柔軟性、可動域、機能改善など)に対してマリガンコンセプト(Mulligan Mobilization)がどれくらい効果的なの?」という疑問を検証したシステマティックレビュー&メタ分析(R)を紹介します。

ざっくりいうと、マリガンコンセプトは患者さんの動きを利用して関節を整える手技療法。今回はその中でも特に「脚の動きを伴う脊椎のモビライゼーション(SMWLM)」「曲げ脚上げ(BLR)」「トラクションを伴うストレートレッグレイズ(TSLR)」の3つが検証されています。

研究の概要

対象

今回のレビューには合計21件のランダム化比較試験(RCT)が含まれていて、坐骨神経痛を持つ患者690名のデータが分析されています。

比較対象

  • SMWLM、BLR、TSLRのマリガン技術がそれぞれ標準治療や他の理学療法(マッケンジー法、神経動員など)と比較されています。

評価項目

  • 痛みのレベル(VASやNPRSスケール)
  • 機能改善(Oswestry障害指数など)
  • 柔軟性や可動域(SLRテストの角度)

研究結果

ざっくりまとめると:

  • SMWLM は痛み(SMD=-0.58)と機能(SMD=-1.02)を有意に改善し、柔軟性(SLR角度)も大きく向上させました。
  • BLR は特に標準治療と組み合わせることで柔軟性向上に効果を発揮しました(SMD=0.59)。ただし、痛みや機能の改善では他の介入と比較して有意差は出ませんでした。
  • TSLR は研究が少なく明確な結論は出せませんでしたが、今のところ痛みや機能改善では同等の効果があるという報告がされています。

まとめ(結論)

  • SMWLMは坐骨神経痛の痛みや機能を改善する効果的な方法です。
  • BLRは柔軟性を高めるには良い選択肢だけど、痛みや機能改善にはそこまで強力ではない。
  • 全体的にまだ研究の数や質が十分とは言えないので、今後さらに質の高い研究が必要です。

現場でのリハビリに取り入れてみる価値は十分ありそうですが、安全性や長期効果についてはもう少し研究が進むといいですね。僕個人的には、SMWLMを積極的に試していこうかなと思います。

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