「喫煙者は抗酸化サプリを飲むと筋力が維持できるかも」というメタ分析

論文

慢性閉塞性肺疾患(COPD)という単語を目にしたことがある人も多いかもしれません。肺の生活習慣病とも言われている「COPD」は、Chronic Obstructive Pulmonary Diseaseの略で、肺気腫や慢性気管支炎も合わせた、慢性閉塞性肺疾患という病気です。

個人的なCOPD患者の印象は、咳や痰が止まらないことから色々なことが億劫になり、食事も運動も疎かになって弱っていくイメージですね。

そんな慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の筋肉量、筋力、機能に対する抗酸化栄養素の影響を調べたメタ分析(R)が出ていました。


この調査では、過去の研究から12件をピックアップ。合計595 人の COPD 患者を対象に、抗酸化物質による栄養介入が筋肉量、筋力に及ぼす影響をチェックしてくれております。

ちなみにここでいう抗酸化物質とは、エイコサペンタエン酸(EPA)強化の経口栄養補助食品、部分加水分解ホエイプロテイン、必須アミノ酸の経口混合物、ホエイプロテインサプリメント、マグネシウムとビタミンCで強化された飲料、オメガ3脂肪酸、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンC、グルコン酸亜鉛、セレン、および静脈内投与の鉄分です。結構幅広いですね。

結論としては、抗酸化物質による栄養介入により、COPDにおける、握力、吸気筋圧、除脂肪体重指数が大幅に改善したんだそうです。これらの発見を考慮すると、COPD患者の筋肉量と機能を増加させるために抗酸化栄養素が臨床現場で使ってもよさそうかもしれませんね。

ここで気になるのが「なんで抗酸化物質がCOPDの身体機能に好影響をもたらすのか」というところですが、研究チームの考察を見ると、「COPD患者は酸化ストレスが増加してるせいで肺や筋組織がダメージを受けてるけど、抗酸化物質を補給するとダメージが中和されて身体機能低下を防いでるんじゃない?(超意訳)」みたいな感じでした。

ということは、健常者やライトな喫煙者にはここまでの抗酸化物質のメリットはないのかなーと思います。

ちなみに、今回のメタ分析にはいろいろと弱点もありまして、どの抗酸化物質をどのぐらい使えばいいのかも分からないし、筋肉量や筋力に影響するエネルギーやタンパク質摂取量のデータが分析されておりません。

そういう意味では「COPDは抗酸化物質サプリを飲め!」とまでは言えないのですが、抗酸化物質が身体に良いのは間違いないと思われるので、皆々様におかれましては、ブルーベリーや緑茶を1日の食事に組み込んでみてはいかがでしょうか。それではさようなら。

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