こんにちは。カラガラです。
今回は、2023年6月の日本経済指標を振り返っていきたいと思います。
前までは株式投資の記事で経済について触れるときもあったのですが、せっかくなので別の記事にまとめてみました。
1. GDPの上方修正:年率換算でプラス2.7%
2023年1-3月期の日本のGDPは、年率換算でプラス2.7%となりました。
これは先月の速報値から上方修正されたもので、経済の回復が続いていることを示しています。
2. 消費者物価指数:5月に3.2%上昇
総務省が発表した5月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比で3.2%上昇しました。
これは21カ月連続のプラスで、食品や宿泊料の値上がりが全体を押し上げ、物価上昇の品目も増えました。
この結果は、市場予測の中央値3.1%を上回るものでした。
3. 実質賃金:4月に前年同月比3.0%減
物価上昇が続く中、2023年4月の実質賃金指数は、前年同月比で3.0%減少しました。
要するに、賃金の上がりより物価の上がりの方が大きいということです。
日本では、この状況が13か月連続で続いています。ヤバいですね。
4. 完全失業率:5月に2.6%
5月の全国の完全失業率は2.6%で、前月と変わらず横ばいでした。
しかし、就業者数の増加は続いており、新型コロナが5類に移行し、経済活動が活発化したことが影響していると考えられます。
一般的に、完全失業率が3%程度だと完全雇用(失業者がほとんどいない)だと言われています。
私見
以上の経済指標から見て、日本経済は回復傾向にあるものの、物価上昇と賃金の伸び率の乖離など、まだ課題も残っていることがわかります。
岸田政権もその問題点は把握しているようで、最低賃金の値上げを考えているそうです。
最低賃金を引き上げる政策には以下のメリットとデメリットがあります。
メリット
- 所得格差の縮小:最低賃金の引き上げは、低所得者の所得を増加させ、所得格差を縮小する可能性があります。
- 生活水準の向上:最低賃金の引き上げは、低所得者の生活水準を向上させる可能性があります。これにより、貧困の問題を緩和し、社会的な福祉を向上させることができます。
- 経済の活性化:最低賃金の引き上げにより、消費者の購買力が増加し、経済全体の需要が増加する可能性があります。これにより、経済の活性化が期待できます。
デメリット
- 雇用機会の減少:最低賃金の引き上げは、企業の労働コストを増加させるため、企業が雇用を控える可能性があります。特に、労働集約型の産業や小規模企業は影響を受けやすいです。
- 物価上昇:労働コストの増加は、企業がそのコストを商品やサービスの価格に転嫁する可能性があります。これにより、物価上昇を引き起こす可能性があります。
- 非正規労働者の増加:企業が労働コストを抑えるために、正規雇用よりも非正規雇用を増やす可能性があります。これにより、労働者の雇用の安定性や社会保障へのアクセスが低下する可能性があります。
日本の失業率の低さを考えると、デメリットよりメリットの方が大きいように感じるので、この政策には賛成です。
一方で、企業が雇用を控える可能性や非正規労働者の問題についても考えなければいけません。
昨今ではAIが台頭してきており、パソコンで単純作業を行うような仕事は、AIに取って代わられることが予想されます。
このグラフは、女性がどんな職業についているかをまとめたグラフです。
見ての通り、事務従事者が多く、AIの台頭は女性の雇用を妨げる可能性が高いと思っています。
また、非正規労働者の多くは女性です。
最低賃金の引き上げやAIの台頭により、非正規で事務として働いている女性が被害を受けるというシナリオが最悪ですね。
これを避けるためには、労働者が現代の経済に必要とされるスキルを獲得できるよう、策を講じていく必要があります。
個人的には、教育訓練給付を強化していくのが良いのではないかと思います。
まぁ、そもそも存在を知らない人も多いと思うので、まず周知することが大事だとも思いますが……。
受講費用が100%支給されるのであれば、みんなもっと資格の取得に前向きになれるだろうにと思います。
まとめ
- 日本経済は回復傾向にあるものの、物価上昇と賃金の伸び率の乖離など、まだ課題も残っている
- 最低賃金の引き上げ政策にはメリットとデメリットがある
- 労働者が現代経済で必要とされるスキルを獲得するための政策が必要
というお話でした。
それではさようなら。
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