膝関節の術後リハビリテーションにおいて、適切な徒手療法の選択は患者の回復に大きく影響します。術後の膝関節拘縮は患者の11%に発生し、日常生活活動への復帰を妨げる要因となっています。この研究(R)では、マリガンコンセプトとホールドリラックス法という二つの異なる徒手療法技術の効果を比較し、臨床判断の指針となる重要な知見を示しています。
研究概要
項目 | 詳細 |
---|---|
対象 | 術後膝関節拘縮のある20〜40歳の男女34名(男性26名、女性8名) |
介入 | マリガンコンセプト群(17名)とホールドリラックス法群(17名)に無作為割り付け |
治療期間 | 6週間(週3回のセッション) |
評価指標 | 数値痛みスケール(NPRS)、膝関節屈曲可動域(ROM)、Timed Up and Go(TUG)テスト |
エビデンスレベル | レベルII(無作為化比較試験) |
主要結果
マリガンコンセプト群はホールドリラックス群と比較して、すべての評価指標で統計的に有意な改善を示しました:

- 痛みの軽減: マリガン群のNPRSスコアは4.47から1.65へ改善(63%減少)、ホールドリラックス群は4.35から2.35へ改善(46%減少)

- 関節可動域の拡大: マリガン群の膝関節屈曲角度は56.8°から109.1°へ改善(52.3°増加)、ホールドリラックス群は57.4°から85.9°へ改善(28.5°増加)

- 機能的能力の向上: マリガン群のTUGテスト所要時間は25.4秒から9.3秒へ改善(63.5%減少)、ホールドリラックス群は24.3秒から15.3秒へ改善(37.0%減少)
臨床応用
- 術後膝関節リハビリテーションの第一選択肢: データは明確にマリガンコンセプトの優位性を示しており、特に膝関節屈曲可動域の回復において顕著な効果を示しています。この技術は関節の微細なポジショニングエラーを修正する効果があると考えられ、術後膝関節治療の初期段階で検討すべきです。
- 疼痛管理の効率的アプローチ: マリガンコンセプトは非オピオイド性疼痛経路の調整を通じて即時的な疼痛緩和をもたらすとされており、患者の早期機能回復を促進する可能性があります。痛みが回復の妨げとなっている患者に特に有効でしょう。
- 治療期間の最適化: 両技術とも効果的ですが、同じ治療期間でマリガンコンセプトの方がより大きな改善を示しました。医療資源の効率的な活用という観点から、マリガンコンセプトの活用を優先的に検討すべきです。
まとめ
- 術後膝関節拘縮に対して、マリガンコンセプトはホールドリラックス法よりも痛み軽減、可動域拡大、機能改善において優れた効果を示す。
- 膝関節屈曲可動域においては、マリガンコンセプトがホールドリラックス法と比較して約2倍の改善効果を示した。
- 臨床家は膝関節術後のリハビリテーションプロトコルにマリガンコンセプトを積極的に取り入れることで、患者アウトカムを向上させることができる。
となると、「具体的なマリガンコンセプトを使った膝関節の治療法」が気になるところだと思いますので、それについては別の記事で紹介させていただきます。
2025年3月25日追記:投稿しました。
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