こんにちは。カラガラです。
今回は、2023年7月の日本経済指標を振り返っていきたいと思います。
6月有効求人倍率1.30倍 2か月連続前月下回る
2023年6月の有効求人倍率は1.30倍で、前月を0.01ポイント下回り、2か月連続で前月を下回ったとのことです。厚生労働省は、物価高の影響で生活を維持するために求職活動をする人が増えたと分析しています。
有効求人倍率は、求職者1人に対する求人数を示す指標で、労働市場の需給バランスを示します。この指標が下がるということは、求職者が増え、または求人が減ったことを示しています。記事によれば、物価高が生活を維持するために働く必要性を高め、求職者数を増加させたとのことです。
物価高は、消費者の購買力を低下させ、生活費を増加させます。これにより、生活を維持するために働く必要性が高まる可能性があります。この結果、求職者数が増え、有効求人倍率が下がる可能性があります。
物価高は一方で、企業のコストを増加させ、利益を圧迫する可能性があります。これにより、企業は雇用を抑制し、求人数が減少する可能性があります。これもまた、有効求人倍率が下がる一因となります。
6月の完全失業率2.5% 前の月より0.1ポイント改善
2023年6月の全国の完全失業率は2.5%で、前月より0.1ポイント改善したとのことです。また、女性の就業者数は3065万人と過去最多を記録しました。総務省は、新型コロナウイルスからの回復を背景に、宿泊業を中心に女性の就業者が増えていると分析しています。
完全失業率の改善は、経済の健康状態を示す重要な指標です。失業率が低下するということは、労働市場が強化され、求職者が就業を見つけやすくなっていることを示しています。これは、経済が新型コロナウイルスのパンデミックから回復していることを示す良い兆候です。
また、女性の就業者数が過去最多を記録したことは、女性の労働市場参加が増加していることを示しています。これは、経済の健全性と多様性を高め、経済成長を支える重要な要素です。
ちなみに日本の失業率は世界と比べても低めの水準です。
消費者物価指数、6月3.3%上昇 2ヵ月ぶり伸び率拡大
総務省が発表した2023年6月の消費者物価指数(CPI)は、生鮮食品を除く総合指数が前年同月比で3.3%上昇し、伸び率は2カ月ぶりに拡大したとのことです。電気代の値上げと食品価格の高騰が主な要因とされています。
電気代の値上げは、企業のコストを増加させ、利益を圧迫する可能性があります。これにより、企業は雇用を抑制し、経済成長を阻害する可能性があります。
また、食品価格の高騰も物価上昇の要因となっています。食品価格の上昇は、消費者の生活費を増加させ、消費者の購買力を低下させる可能性があります。これは、特に低所得者にとっては大きな負担となります。
今年度GDP伸び率見通し実質1.3% 名目は32年ぶり高水準 内閣府
内閣府は2023年度のGDP(国内総生産)の伸び率の見通しを、物価の変動を除いた実質でプラス1.3%と発表しました。これは、これまでの見通しから0.2ポイント引き下げられたものです。一方、名目の伸び率は、物価上昇を反映して32年ぶりの高水準を見込んでいます。
また、今年度の消費者物価の総合指数は、電気料金やガソリン価格に対する政府の負担軽減措置を反映してもプラス2.6%と見込まれています。これは、経済の好循環の実現に向けて、持続的な賃上げなど物価上昇への対応が求められることを示しています。
これらの予測は、日本経済の現状と将来の見通しを示しています。物価上昇と経済成長は密接に関連しており、物価上昇が経済成長を促進する一方で、過度な物価上昇は消費者の購買力を低下させ、経済成長を阻害する可能性もあります。したがって、物価上昇と経済成長のバランスを適切に管理することが重要です。
5月の実質賃金 前年同月比1.2%減 14か月連続マイナス
個人的に一番注目しているのが実質賃金です。
2023年5月の働く人1人あたりの実質賃金は前年同月比で1.2%減少し、14か月連続でマイナスとなったとのことです。物価の上昇が続く中で、賃金の上昇がそれに追いついていない状況が続いています。
厚生労働省の「毎月勤労統計調査」の速報値によれば、基本給や残業代などを合わせた働く人1人あたりの現金給与総額は平均で28万3868円と、今年の春闘の結果を受けて、前年5月と比べて2.5%増加しました。しかし、この増加が物価の上昇に追いついていない状況が続いています。
労働団体の「連合」は、今年の春闘での賃上げ率が平均で3.58%と、およそ30年ぶりの水準になったことを公表しました。しかし、物価の上昇が賃金の上昇を上回っているため、実質賃金はマイナスとなっています。
この状況は、物価上昇と賃金上昇の間のギャップを示しています。物価上昇が賃金上昇を上回ると、消費者の購買力が低下し、生活費が増加します。したがって、物価上昇と賃金上昇のバランスを適切に管理することが重要です。
日本経済の課題
これらの記事を見ると、日本経済はいくつかの課題に直面しています。
- 実質賃金の減少:物価上昇が賃金上昇を上回ると、実質賃金は減少します。これは、労働者の生活水準を低下させ、消費を抑制する可能性があります。消費は経済成長の重要なドライバーであるため、これは経済成長を阻害する可能性があります。
- GDPの成長予測の下方修正:GDPの成長予測が下方修正されたことは、経済成長の見通しが悪化していることを示しています。これは、経済政策の見直しを必要とする可能性を示しています。
これらの課題に対処するためには、物価と賃金のバランスを適切に管理し、労働市場の需給バランスを維持し、経済成長を支える政策を実施することが重要です。また、これらの課題は相互に関連しているため、これらの課題を包括的に考慮した政策対策が必要です。
これらの課題に対処するための政策対策は、以下のようなものが考えられます:
- 物価安定のための金融政策:中央銀行は、インフレ目標を設定し、その目標を達成するために金利を調整することで物価安定を図ることができます。また、量的緩和や資産購入プログラムなどの非伝統的な金融政策も利用できます。
- 賃金上昇を支援する労働政策:政府は、最低賃金の引き上げや労働者の交渉力を強化するための労働法改革などを通じて、賃金上昇を支援することができます。また、スキルアップや再教育の機会を提供することで、労働者の生産性を向上させ、それにより賃金上昇を促すことも可能です。
- 経済成長を促進する財政政策:政府は、公共投資を増やす、税制を改革する、企業の研究開発を奨励するなどの方法で、経済成長を促進することができます。また、社会保障制度を強化することで、消費者の購買力を保護し、経済成長を支えることも可能です。
- 労働市場の需給バランスを維持する政策:政府は、労働市場の柔軟性を高める、職業訓練や再教育の機会を提供する、移民政策を調整するなどの方法で、労働市場の需給バランスを維持することができます。
実際、日銀は強情な金融緩和策を修正しましたし、
最低賃金も1,000円を超えました。
あとは、労働者の価値を高めて、経済成長を促進するような政策を打ち出せれば完璧ですね。
間違っても消費増税だけはしないでほしいなと思う所存です。
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