バスケのシュート精度を高めたいなら、肘の「ちょい曲げトレーニング」がベストかもって話

バスケットボール研究のサムネイル 日記

背景

筋トレがスポーツのパフォーマンスに良いって話は多いですが、特にバスケのシュート精度アップにはどんな筋トレが良いの?というのはちょっと謎が多い部分でした。今回はそこにメスを入れたマレーシアのランダム化比較試験(R)を紹介します。

ざっくり言うと、今回の研究はトライセプス(いわゆる二の腕の裏側の筋肉)の筋トレで、「フルレンジ(FROM)」と「部分的レンジ(PROM)」どちらが3ポイントシュートの精度向上に効果的かを調べたものです。

研究の方法と内容

対象は30名のレクリエーションレベルのバスケットボールプレイヤー(20歳前後)。

実験はこんな感じ。

  • FROM(フルレンジ)グループ:肩を160〜180°挙げて肘を完全に曲げ伸ばしする運動
  • PROMグループ:肩は同じく160〜180°に挙げて、肘の曲げ伸ばしを60°~110°の範囲内だけで行う
  • 対照群(CON):特別な運動なし

それぞれの筋トレは、週2回、4週間、67%の1RM強度で行いました。

シュート精度は、静止した状態からの3ポイントシュートを複数箇所から計測して、介入前後で比較しています。

結果

実験結果からは、以下のことがわかりました。

  • PROMグループがシュート精度を最も向上させ、統計的にも明らかな差があった
  • FROMグループも多少の改善があったが、統計的な差はPROMほど明確ではなかった
  • CONグループは特に改善が見られなかった

つまり、シュート動作に似た範囲の肘の曲げ伸ばし(60°~110°)で行う筋トレ(PROM)が最もシュート精度を上げることが示されたんですね。

効果量から、100本のシュートを打ったときの差を概算すると

  • PROM: 約17.5本→約34.6本 (+17.1本)
  • FROM: 約17.8本→約25.7本 (+7.9本)
  • CON: 約16.7本→約16.3本 (変化なし)

という違いです。結構大きいですね。

なぜPROMが良かったの?

研究者によると、PROMが特に良かった理由は、シュート動作そのものに近い運動だったから。

実際のバスケのシュートでは、肩を160°~180°に挙げ、肘はおよそ90°前後で動くのが基本。このポジションで最も活躍するのがトリセプスの内側頭部分です。つまり、シュートに使われる筋肉をピンポイントで鍛えたことで、運動パターンが効率化され、精度アップにつながったってことらしい。

また、PROMは筋肉への負担を限定して、効率的に神経系の適応(要は神経と筋肉の協調性が高まること)が起こりやすく、より短期間でパフォーマンスアップを実現したとも説明されています。

実践へのヒント

バスケのシュートを良くしたいなら、フルレンジの筋トレよりもPROM(特定の動きに特化した筋トレ)の方が効果的っぽい、というのが今回の研究の結論。特に短期間で効率的にシュート精度を上げたいなら、この方法は試す価値がありそうですね。

もちろんFROMが悪いってわけではないですが、「バスケのシュート」という特定の目的に限るなら、PROMを取り入れた方が効率は良さそうですね。

となると、テニスのサーブや野球のピッチングなど、他のスポーツでもその動作の可動範囲に則した筋トレがいいのかもしれません。もちろん他の研究を待たないと断言はできませんが、やってみる価値はありそうかなと思います。

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