野球ファンならご存じの通り、最近ピッチャーの肘のケガ(特に靭帯損傷)が増加しています。今回は、プロ野球選手が実際に投げたデータをもとに、どんな投球フォームが肘への負担を高めるかを分析した面白い研究(R)を紹介します。
研究のざっくり概要
対象
プロ野球選手81名が実際に投げた82,000回の投球データを使用しています。投球シーンとしては、ウォームアップ、ロングトス、ブルペンでの投球練習、試合中の投球まで含まれています。
測定したポイント
- アームスロット(ボールを放す瞬間の腕の位置)
- 腕の回転スピード(投球時の腕の回転速度)
- 腕の最大外旋角度(腕が投球時にどれだけ後ろへ回転するか)
これらが肘の負担(肘へのトルク)とどう関係しているかを調べています。
結果:フォームによって肘の負担がはっきり変わる
分析によると、以下のような結果が出ました。
- アームスロットが13°低くなると、肘への負担が1ニュートンメートル増加。
- 腕の回転スピードが116度/秒速くなると、肘への負担が1ニュートンメートル増加。
- 腕の外旋角度が8°増えると、肘への負担が1ニュートンメートル増加。
要するに、腕が低い位置から速いスピードで後ろに大きく回転すると、肘への負担がぐっと増えるわけです。
この研究が教えてくれること
肘のケガ、特に靭帯損傷は投球フォームと深い関係があります。今回のデータから、腕の位置を少し高めにしたり、腕の回転速度や後ろへの引き具合を調整したりすることでケガのリスクを下げられる可能性が示されました。
もちろんピッチングには多くの要素が絡んでいますが、肘への負担を下げるための具体的なヒントとして、この3つのポイントを押さえてフォーム調整するのが効果的と言えるでしょう。
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