野球のピッチングって肩にめちゃくちゃ負荷がかかる動作なんですが、特に「最大外旋位(MER:腕が最も後ろに引かれる瞬間)」のときの「水平外転角度(腕を水平後ろ方向に引く角度)」が大きいと、肩にかかる前方への力(前方剪断力)が増えて、ケガのリスクが高くなるという論文(R)を紹介します。
研究の概要
どんな選手を調べたの?
今回の研究では、さまざまな年齢やレベルの野球ピッチャー213名を対象にしました。
どうやって調べたの?
選手たちがピッチングする動きを3Dモーションキャプチャで撮影し、肩関節にかかる負荷(特に肩関節の前後方向や上下方向の力)を逆動力学という方法で分析しています。
具体的には、投げるときの肩の動きを3次元的に分析して、肩関節にどんな力がかかっているかを調べています。
結果はどうだった?
分析した結果、以下のようなことが分かりました。
- 最大外旋位(MER)での「水平外転の角度」が大きいほど、「肩にかかる前方向への剪断力」が増加。
- 要は、腕を後ろに大きく引きすぎると、肩が前に押し出されるような負荷が高まるってことですね。
- 肩の「外転角度」(腕を横に広げる角度)と上下方向への負荷にも、弱いけど相関が見られました。
- 成人のアマチュア選手は、MERのときの水平外転が大きく、肩の外旋角度が小さい傾向でした。
- 一方、小中学生のグループは、肩にかかる圧迫力や内旋トルクが少なめでした。
研究からわかること
ピッチング動作で肩が過度に後ろに引かれると、肩にかかる前方向への負荷(前方剪断力)が増える可能性が高いんですね。これが肩のケガ(特に関節の障害やインピンジメント症候群など)の原因になる恐れがあるわけです。
逆に言うと、投げるときに「肩の過度な水平外転」を抑えることが、ケガ予防やリハビリにおいてすごく大事になるってことですね。僕自身もリハビリをやってるときに、ピッチャーの方にこのポイントをよく伝えたりします。
ポイントをまとめると
- 過度な水平外転(肩を後ろに引く動き)は肩への負荷を増加させる。
- 肩の負荷はMER(最大外旋位)で特に高くなる。
- 負荷が高すぎると肩のケガに繋がる可能性があるため、肩の角度を適切に調整することが大切。
肩を壊さないためにも、ピッチングフォームの指導でこれらのポイントを意識していきましょう。
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