扁平足なら足部内在筋と臀筋を鍛えようというRCT(R)を紹介します。
扁平足とは、足の裏にある土踏まずが潰れ、足裏が平らになった状態です。内側縦アーチの低下が特徴で、進行すると疼痛や歩行異常、さらには下肢全体の生体力学的連鎖に影響を及ぼす可能性があります。現在の治療アプローチはパッシブサポート(足底装具など)が主流ですが、内在筋・外在筋の強化を含む積極的な運動介入の可能性が注目されています。
研究概要
P: 柔軟性扁平足を持つ18~21歳の若年成人52名
I: ショートフットエクササイズ、足関節運動、臀筋強化、ふくらはぎストレッチを含む包括的運動プログラム(週3回、6週間)
C: 基本的な足関節の自動運動とふくらはぎストレッチのみ(週3回、6週間)
O: 舟状骨降下高と内側縦アーチ角の改善
エビデンスレベル: レベルII(単一施設でのランダム化比較試験)
主要結果
- 実験群は対照群と比較して舟状骨降下高において0.4cm大きな改善を示した(95%CI: 0.4~0.5)

- 実験群は対照群と比較して内側縦アーチ角において16度大きな改善を示した(95%CI: 13~19)

- 両測定値とも非常に精密な推定値を示し、包括的運動プログラムの明確な有効性を示唆
- 介入期間中に有害事象の報告はなく、脱落率も低く(実験群1名、対照群2名)、包括的運動プログラムの安全性と実行可能性を示した
臨床応用
- 足部内在筋へのアプローチ: ショートフットエクササイズ(lesser toe extension、toe spread、doming、hallux extension)は特に内側縦アーチの動的安定性に関与する足部内在筋(特に母趾外転筋、短趾屈筋、足底方形筋)を標的とします。これらは単なる構造的サポートだけでなく、荷重時の微細なアーチ位置調整に神経筋的役割を果たします。
- 運動連鎖を考慮した介入: 臀筋(大殿筋、中殿筋、小殿筋)の強化は、股関節の安定性向上と下肢全体のアライメント改善に寄与します。股関節の内旋制御は間接的に足部回内の過剰な動きを制限するため、特に動的活動中の足部アライメントに影響します。
- 運動プログレッション: 運動負荷の段階的増加(座位→立位→片脚立位)と持続時間の延長(5秒→10秒→15秒)を組み込んだプログラムを構築することで、神経筋系の漸進的適応を促します。
まとめ
- 包括的運動プログラムは柔軟性扁平足の生体力学的指標を有意に改善し、症状発現や歩行異常への進行予防に寄与する可能性がある
- 足部内在筋の強化は内側縦アーチの動的安定性における重要な神経筋的役割を果たし、単なる構造的サポートを超えた効果が期待できる
- 扁平足治療において下肢全体の運動連鎖を考慮した包括的アプローチは、局所的介入よりも有効である可能性が高い
自分としても今回の論文を活かして、ショートフットexと殿筋exを扁平足の患者に指導していきたいと感じました。皆さんの参考になれば幸いです。
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